すいかの匂い [本]
BOOK OFFで105円でゲットしました。(安っ)
江國香織さんの文章は、10代の時は回りくどい気がして
しっくりとなじみませんでした。
でも、就職してから、とっても好きになりました。
それは、人生に回りくどい事とか、周囲の風景から
その人の人生が描かれる事が分かったから。
江國さんは人生の苦味をうまく描いている。
「すいかの匂い」ではどの作品でも子供たちが描かれているけれど
その中の子供たちは、明るくて輝かしくて夢の国に住んでる存在ではなくて、
自らの不全感に屈曲した思いを抱いて、でもそれを誰にもいえなくて生きてる。
そこにすごく共感してしまうのです。
日常の風景から始まって、日常の風景に終わり、
作品としての一応の結末はあるけれど、その後もずっと
その登場人物の人生は続いていくような、そんな空気が好きです。
続きまして、やっぱり105円で買った向田邦子「阿修羅のごとく」
に移行します。